トルコ旅行3日目
今回のトルコ旅行最大の楽しみはガラタサライのサッカー観戦。
最大の心配はチケット
トルコサッカーのチケットは「BILTIX」というチケットサイトで購入できるが、ガラタサライのホームゲームの試合のチケットは取り扱っていなかった。
ガラタサライの公式サイトでチケット販売を見つけたので登録して、チケットを買おうとしたが買うことができなかった。
事前にチケットを手配できないままトルコに来てしまった。
今回のガラタサライの対戦相手はトルクコンヤスポル(下位のチーム)なので恐らく満席になることはないであろう。
したがって当日スタジアムに行けば当日券を売ってるだろう。
なんて楽観していた。
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まずは当日券を買いにスタジアムへ
試合は夜の8時からだが、お昼ぐらいにスタジアムのチケット売り場に行ってみる事にした。
タクシム広場からメトロ(地下鉄に)に乗りセイランテペ駅で乗り換えて1駅でガラタサライのホームスタジアム「テュルク・テレコム・アレナ」に行ける。
関連記事 ガラタサライスタジアム「テュルク・テレコム・アレナ」への行き方
スタジアムに着いたら早速、チケット売り場へ。
窓口はたくさんあるが、1つの窓しか開いていない。
少し不安を覚えながら窓口に行くと。
「ノー チケット」
ガーン( ゚Д゚)
トルコにはサッカー観戦しに来たみたいなものなのにぃ~
何回か聞きなおしてみたが、ないものはないらしい。
途方にくれてしまった。
そしてダフ屋さんが現れた
あきらめて、退散しようとすると一人の男が声をかけてきた。
「チケットはいらないか?」
ダフ屋さんからチケットを購入したというブログやサイトは見た事があった。
しかし、私は相場以上の値段で物を買うのが好きじゃない。
したがって、ダフ屋さんから購入するなんて全く考えていなかった。
だが、途方に暮れていた私にとっては希望の光に見えてしまった・・
「いくらだ?」値段を聞いた。
「150リラ」と見せられたチケットは、明らかに最上階の方の席だった。
正規の値段なら40リラぐらいの席であろう。
それ以外にも複数のチケットを持っていたがどれも似たりよったりだった。
更にどのチケットも、もぎりの部分がちぎられている。
何か怪しい。
「何で、ここの部分が切れているのか?」って聞いても
「問題ない」の一点張り。
そうこうしていると
「これならどうだ」
とちぎられていないチケットを出してきた。
隅の方だが前の方席のチケットだった。
正規料金で100リラぐらいの席だ。
「これなら買ってもいいかな。試合が見れんよりましか・・」
悩みに、悩んだ挙句、買ってしまった・・・・
このチケット怪しい
試合開始の夜まではまだ6時間以上あるので1度宿に戻った。
戻りながらチケットをよく見たら、値段の部分が0リラと書いている。
値段が0とはどういうことだ?
「このチケット、もしニセ物だったらどうしよう・・・」
とてつもなく不安になったが、今更どうしようもない。
その時はしょうがない。
とりあえずチケットは確保した。
夜になるまでゆっくりして、スタジアムに向かった。
ガラタサライスタジアムへ
スタジアムには試合開始2時間前ぐらいに着いた。既に、ガラタサライカラー赤とオレンジ色のユニフォームやジャージを着たサポーターが結構いる。それだけで、テンションが上がってくる。
チケットチェックは3回ある
スタジアム敷地内で2回、スタジアムの建物に入る時に1回チケットと荷物、ボディチェックがある。
ダフ屋さんから買ったチケットだけにドキドキだ。
1個目と2個目のゲートはチラッと見られただけで、通過。
しかし、安心していられない、最後のスタジアムの建物入口ではチケットについているバーコードのチェックがある。
腹ごしらえと、ガラタサライストアでグッズを購入していざスタジアムのゲートへ。
恐る恐る渡したチケットはバーコードチェックを無事通過
ボディチェック、荷物チェックも問題なし!
「あー良かった正規のチケットやったんや」
ホッとした
天国から地獄へ
きれいな緑のピッチが目の前に広がると
テンションもググッと向上
近くにいた係員が席の案内をしてくれた。
チケットを見て、「あそこら辺だな」と
指をさす。
「ふむふむ」と聞いていいると
となりいる警備員が
「ちょっと待て」と
「このチケットはおかしいぞ」って雰囲気になった。
「お前このチケットどこで買った?」
「お前はガラタサライのクラブメンバーか?」
などと聞いてくる。
そして、無線で何か話しだした。
「え~どういうい事、どういう事」
一気に不安でいっぱいになった。
ほどなくして、「POLICE」とでかでかと背中にかいている
警察官とその上司であろう黒服のSPみたいな大男3人がやってきて
「こっちにこい」と連行された。
これはやばいと思い
「このチケットは問題があるのか?」的な事を
身振り手振りで必死でアピール。
かなり不安な雰囲気を必死でかもしだす。
(かもしだそうとしなくてもマックス不安そうだったと思いますが・・)
スタジアムの隅に連れていかれ、色々質問されたが、
必死で言葉が通じないふり。
(実際ほとんどつうじませんが・・)
日本語が分かるやついないか?的な事も言っている。
心の中で「頼む。そんなやつ現れるな」て神だのみ
1人がパスポートを出せと言ってきたが
一番偉いと思われる人が
「いや、出さなくていい」
「大丈夫だから、大丈夫だから」と身振り手振りでやってくれた。
「あっ、これは許してくれるかも」
しかし、そんな雰囲気とは裏腹に
どんどんスタジアムの外に向かって連れていかれていた。
不正チケッター
スタジアムの建物の入り口の所に連れていかれ
「ここで待て」と言われた。
そこは、鉄格子の檻の前だった。
鍵こそかかってないが、出口も入口もそれぞれ6名づつの警察官で固められていた。
そして檻の中にはチケットに問題があり連行された若いトルコ人達が20名程収監されていた。
不正チケットを持ち込んだ人達「不正チケッター」のみなさんだ。
不正チケッターに仲間入り
最初は、檻の外で待機さされていたが、その内に
「中に入れ」と
「ええ~」
さっきまで許してくれそうな雰囲気やったのに・・
更に、さっき許してくれそうな感じだった偉い人もいなくなっていた。
「終わった・・・」
「これから、どうなるんだろう」
この不安・・・プライススレス
そんな事を思っている最中にも続々と不正チケッター達が
連行されてくる。
中にはまだ中学生ぐらいの子供もいる。
最初は、かわいい感じだったが、許してもらえないとわかると
急にふてぶてしい態度に変わっていた。
幼い顔して、悪だな~と思う。
そこはチンピラの吹き溜まりみたいなっていた。
しかし、悲しいかな自分もその一員となっていた。
「外国に来て、何をやってるんだろう、自分」
悲しいやら、情けないやら・・・
絶望感
そこからは、窓越しにスタジアムのピッチが少し見える。
選手が試合前の練習をしているのが遠目に見える。
スタジアムの内側にいる人達はみんな試合を見れる人達
壁を1枚隔てて見れない私たち
少し、刑務所に入れられている人達の気持ちがわかったような気がした。
壁の向こう側まで1メートルぐらいだが、とてつもなく遠く感じる。
助けてくれそうだった偉い人も帰ってくる気配はない。
完全にあきらめていた。
希望
しばらくすると、1人のスタッフが
「こっち側にきて、ここにいろ」と
入口に近い場所を指さした。
そして「大丈夫、大丈夫」みたいな事を言ってくれた。
「ひょっとしてだけど、ひょっとしてだけど、助かるかも~」
またしても絶望
ほどなくして、不正チケッター全員の身分証チェックが始まった。
私の所にもやってきて、パスポートのを見せろと言われた。
さっき「大丈夫、大丈夫」と言ってくれたスタッフが
「こいつは大丈夫だから、見せなくていいだろ」
みたいな事を言ってくれている。
しかし、それは通らなかった。
結局パスポートを見せる事となった。
そして、大丈夫と言ってくれていた人はどっかに行ってしまった。
「あーやっぱりダメだぁ。助からんわ」
そのうち、スタジアムの外側の出口が開き続々と
不正チケッター達が外に出され始めた。
神降臨
私は建物の入り口側にいたので出るのは最後の方だ。
半分以上が外に出されたあたりで、先ほど「大丈夫」と言ってくれていたスタッフが帰ってきた。
「お前はここにいろ」言ってくれた。
みんなが、外側に連れ出されているのに、私だけガスタッフと一緒にとどまっている。
それに気がついた不正チケッター達がおかしな雰囲気になってきた。
「おいおい、やばい感じになってきたぞ」と思っていたら。
スタジアム内にいる初老のおじさんが私に向かってゼスチャーをしている。
「スロウ(ゆっくり)スロウ(ゆっくり)カムヒアー(こっちにこい)」
それに従い、私がスタジアムに入って行くと、不正チケッター達が騒ぎ出した。
「何であいつだけ、スタジアムに入っていくんだ」みたいな感じで怒っている。
すると、初老のおじさんが「カム!(来い)」とスタスタと走ってスタジアムの中に
連れて行ってくれた。
「あなたの買ったチケットはブラックマーケットチケットだ」
「大丈夫、私は年間シートを複数持っている、そこでゲームを観戦しなさい」
「私も若いころは2回捕まった事がある。大丈夫だ」
と言ってくれた。
大丈夫と言ってくれていたスタッフがいなくなっていたのは、このおじさんを呼んで来る為だった。
そこにいた、その他のスタッフもみんなで私が試合を見れるように計らってくれたのだ。
そして、このおじさんは私に席を用意してくれた。
信じられなかった。
ちょっとありえない展開だった。
そしてその席は最高の席だった
用意してくれた席は通常料金でも1万円ぐらいはするであろう席だった。
席につくと間もなく選手が入場してきた。
スナイデルがドログバが~
試合はドログバの得点でガラタサライの完勝!
あっという間の90分間だった。
おじさんは試合が終わる5分前に
「アイ マスト ゴー」(もう、行かなくてはならない)
と言って、去っていった。
終わりに
ダフ屋からチケットを購入するのは違法行為です。私は、その事が違法である事もよく分かっておらず購入してしまいました。今回は運が良すぎただけで、通常ならありえない事である事は誰でも分かりますよね。助かったとはいえ、警察にはしっかりパスポート番号も控えられました。
ガラタサライのホームスタジアム「テュルクテレコムアレナ」でダフ屋さんからチケットを買うとどうなるか、あえて体験記として記しました。
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